子どもユニバーサルデザイン授業実施

インクルーシブデザインネットワークは、東京都武蔵村山市の小中学校でユニバーサルデザインの授業を行っています。その中で今回は、武蔵村山市立第一中学校での授業について報告します。

●実施経緯

武蔵村山市立第一中学校は「チィキチィキフェスティバル」と称して、中学生が地域の方の指導により様々な活動を経験することで、能力や適性を伸長させ、地域との交流を深める活動を毎年12月に実施しています。地域の方が講師を行い各2時間で25講座が開設され、生徒は事前希望により興味のある講座を受講することができます。インクルーシブデザインネットワークは学校からのご依頼により、以下の講座を実施しました。

「高齢者・障害者疑似体験」 

参加生徒中学1、2年生 18名

講師:和田 紀彦(インクルーシブデザインネットワーク)

サポート:西川 昌宏(インクルーシブデザインネットワーク)、蔦谷 邦夫(インクルーシブデザインネットワーク)、大内 巌(個人)、他1名

※武蔵村山市社会福祉協議会様から、車いす、高齢者疑似体験ツールを借用

学習の目的

疑似体験を通じて、高齢者や障害者の身体的制約を感じてもらい、共生社会の大切さや、自分たちができることを考えるきっかけにする。

●疑似体験内容、感想

生徒たちに、車いす、杖(サポーターと重りを膝と肘につけ、杖をついて歩く片まひの体験)、弱視ゴーグル、アイマスクを使ってもらい、いくつかの日常生活動作をしてもらいました。生徒たちからはやってみると「こんなに大変なのか!」という率直な感想が数多くよせられました。例えば「車いすでは2cmの段差を乗り越えるのが難しい」「高いところの物に手が届かない」「多目的トイレでも車いすを操作するのが難しい」等です

。片まひ体験では、「杖をついて歩くことはできても、座った姿勢から立ち上がるのが大変」「弱視ゴーグルをつけるとトランプの数字もマークも見えない」といった不便さを実感してもらいました。マイマスクをつける体験では、二人一組で歩きながら全盲者とガイドの両方を経験、怖さや不安のなか、お互いのコミュニケーションと支え合いが大切なことを実感してもらいました。

終了後、「困っている高齢者・障害者の方々を見かけたら、お手伝いしたい」という感想がありました。成長著しい時期の中学生たちに老化・障害からくる身体的制約を感じさせることは難しいと思っていましたが、このような気持ちをもってもらうことが共生社会への第一歩です。その意味でこの講座を実施した意義がありました。

(記:和田 紀彦)