インクルーシブデザインネットワークは、NPO法人アイ・コラボレーション神戸と共催で、「わたし達の未来をつくるアイデアソン・ハッカソン~世の中を変える商品開発【視覚障害を持つ方編】~」を2019年10月19日、10月27日、東京・永田町のYahoo!Lodgeにて開催しました。
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「わたし達の未来をつくるアイデアソン・ハッカソン」東京を共催します
・ NPO法人アイ・コーポレーション神戸
「わたし達の未来をつくるアイデアソン・ハッカソン」東京
アイデアソン・ハッカソンともに、予め視覚障害の方から提供された5つの課題に対し、5つのテーブルに二十数名がわかれて参加、熱心な議論が展開され、スマートフォンやデバイスを活用したアイデアが展開され、ハッカソンでは、プロトタイプとして具体化するほか、さらに既存ツールやサービスなどと連携し展開する方法が案出されました。
本編では、10月19日に開催されたアイデアソンをご紹介します。
アイデアソンを開始するに先立ち、参加される視覚障害の5名の方から、それぞれの自己紹介と今回アイデアソンで取り上げたい「課題」をご説明いただきました。そののち、全参加者が、取り組みたい課題を説明された視覚障害の方のいるテーブルに着席し、課題について検討し、解決策を生み出す、というプロセスです。
タブレットの普及や、白杖だけでは感知できない、高い位置の障害物など、生活環境の変化や支援ツールを使っているユーザーならではの、最近の生活に即した新しい課題が、参加者の取り組み意欲をそそりました。
視覚障害の方は、5名の他に3名が参加したほか、12名の方がアイデア作成に参加され、計20人でのアイデアソンとなりました。
各テーブルの参加者は、視覚障害の方も連れ立って皆で昼食に出かけるなど、あっという間に親密になり、4時間にわたって熱心な議論が行われ、大きな模造紙を前に多数のポストイットが展開されました。
15時から、チームごとプレゼンテーションでアイデアを共有し、全員で議論を深めました。
「タブレットメニューを使いたい」では、タブレット端末の情報をスマートフォンで操作できる仕組みをご提案。
「身の回りで点字標識がどこにあるか知りたい、点字を読み上げてほしい」では、スマートフォンと画像認識で点字標識のある場所を知らせ、読み上げるアプリをご提案。
「高いところにある障害物を知りたい」では、歩行する方向になにか物があるかを、メガネやペンダントなどで知らせるとともに、お店があれば、それがなんのお店かを知らせてくれる、身につけるデバイスをご提案。
「自動販売機を見つけ、買いたい」では、周囲にある自動販売機を知らせ、スマートフォンで購入できるアプリをご提案。
「勢いでいったカラオケで楽したい」では、歌うと曲を検索してくれ、演奏時にはちょうどいいタイミングで歌詞を読み上げてくれる、スマートフォンアプリをご提案。
審査員として、筑波技術大学名誉教授の須田裕之先生、インクルーシブデザインネットワーク顧問の関根千佳さん、サウンドスケープデザイナーの武者圭さんが参加され、プレゼンテーションごとに、操作性や技術など、活発な質疑応答が繰り広げられました。
また、須田先生からは、情報への気付きやインターフェースの観点、デザインフォーイーチの観点、インフラ側とスマートフォンなど手持ちの端末の機能分担の観点からブラッシュアップをお願い、関根さんからは、なぜ5回の繰り返し、利用者拡大の検討、先行商品の研究の勧め、武者さんからは、点字利用者が少なく、携帯向けに情報提供を変えようとする動きがあること、またUVインキで印刷された点字をカメラで認識するのは難しいこと。それぞれ、アイデアを深めるのに有効な多数のアドバイスを頂きました。
審査員や参加者のコメントを元に、チームごとにアイデアのブラッシュアップが行われ、10月27日に、ハッカソンが行われました。技術活用や実現性などの検討から、解決策の考え方から変更になったものも。このレポートの後編にて、お知らせいたします。
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わたし達の未来をつくる「アイデアソン・ハッカソン」東京 ~世の中を変える商品開発【視覚障害を持つ方編】〜前編
NISHIKAWA Masahiro ,TSUTATANI Kunio ,FUJIKI Takeshi & MORI Junichi