2022年度 インクルーシブ・テーマトーク「特別企画」
「UD・インクルーシブデザインにおける新たな活動と世代間の共創に関して」
初の試みとして、若手の研究者、クリエイターの方々をお招きし10月4日に2022年度 インクルーシブテーマトーク特別企画を実施いたしました。当日は60名を超える参加者を迎え3つのテーマと、パネルディスカッションを進めました。
開催日時
2022年10月4日(火)18:30~20:30
開催形式
Zoomによるオンラインセミナー
ご登壇者
浅見 幸佑 様
B-Linedプロジェクト 代表
高橋 基就 様
大阪工業大学 大学院
橋田 規子 様
プロダクトデザイナー
芝浦工業大学デザイン工学部教授
佐野 実生 様
株式会社 コンセント
ご講演概要
① 「楽しさの垣根のない世界の実現」に向けたゲーム開発活動
Blined Project代表
浅見 幸佑 様
「楽しさの垣根のない世界の実現」活動として視覚障がい者も晴眼者も共に楽しむことのできるボードゲーム「グラマ」とその開発経緯をご紹介いただきました。
晴眼者と視覚障がい者の両方が楽しめるようにするには、楽しむための高度なルールと情報のわかりやすさの案配が重要で、メインのルールをあえて「発展」ルールとそこに行くまでのハードルを下げた「基本」ルールの2段階にして、提供したことがポイント。
② 音像によるユニバーサルな海中探検「深海エレベータ」
大阪工業大学
高橋 基就 様
晴眼児、視覚障がい児双方が対等な状態で体験や学びを共有し、楽しむことができる音と光を用いた空間型教材「深海エレベーター」をご紹介いただきました
音と光を用いて、深海の生物の生態を学ぶコンテンツを開発する上で、メートル等の長さの感覚を得にくい障がい児に対して、大きさを伝える際、その生物が目の前を通過する時間で感覚的に大きさを伝え、詳細は想像してもらうなど、余白のある情報提供を工夫した。
③ アイデアソン2022、参加学生の気づき、他
芝浦工業大学
デザイン工学部
デザイン工学科
教授 橋田 規子 様、
学生の皆様
インクルーシブデザインアイデアソン2022ダイジェストご紹介、および、橋田研究室研究活動のご紹介いただき、さらに、学生の皆様よりインクルーシブデザインネットワーク アイデアソンからの気付きご紹介いただきました。
④ パネルディスカッション
モデレータとして佐野 実生 様 (株式会社 コンセント)に進行していただき、浅見様、高橋様、橋田様と学生の皆様で、インクルーシブデザインの課題と未来に関して、ディスカッションを行いました。ポイントは以下の通りです。
● リアルな障がい者の現実の生活を身近に体験することで、知識としての障がい、ユニバーサルデザインとのギャップに気付き、障がいのあるかたがたとの共創により開発が進んでいる。
● 健常者の世界に障がい者を寄せるのではなく、健常者も障がい者も共に歩み寄り共に体験できる部分を拡大し楽しむ、学ぶ仕組みができあがっている。
● 共に歩み寄った場で、健常者と障がい者のコミュニケーションを活性化し、固定観念が壊していくことで、新しいコンセプトが生まれ続けていく。
これらの点に、新しい流れを感じました。
過去のインクルーシブ・テーマトーク
2022年度 第1回
2022年7月5日(火)
「CSUNカンファレンス2022」にみるインクルーシブデザインの最新動向と日本の課題
・関根 千佳 氏:株式会社ユーディット会長兼シニアフェロー、同志社大学客員教授、特定非営利活動法人インクルーシブデザインネットワーク顧問
➡ 報告
2021年度 第3回
2022年3月23日(水)
『パラリンピックの残したもの』~パラリンピックで進んだこと、まだまだ残る課題~
・川内 美彦 様:アクセシビリティ研究所主宰
・小川 歩美 様:オンボラ・コミnet 共同代表
➡ 報告
2021年度 第2回
2021年10月20日(水)
「社会課題と実践事例:『モバイルトイレ』の開発と社会に示す新たな可能性」
・トヨタ自動車株式会社 社会貢献推進部 内山田 はるか 様
・トヨタ自動車株式会社 ビジョンデザイン部 インテリアデザイン室 飯島 泰昭 様
・NPO法人 アクセシブル・ラボ 代表理事 大塚 訓平 様
➡ 報告