「わたし達の未来を作るアイデアソン・ハッカソン東京」の中間報告会を開催しました。

NPO法人アイ・コラボレーション神戸との共催で実施したアイデアソン・ハッカソン(2019年10月19日、10月27日、Yahoo!Lodge)。

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その後、参加者のみなさんの中で社会実装に向けて活動いただいており、2020年1月31日、中間報告会が開催されました。

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 ▼日時:2020年1月31日(金)13:00〜18:00(開場12:30)

 ▼会場:ワイム貸会議室 市ヶ谷

ハッカソン参加者のうち、4チームのメンバー、審査員の関根さん、武者さん、吉野さん、関心をもたれた企業数社にくわえ、川崎市の経済労働局から、ウェルフェアイノベーションご担当が来られ、全部で18人。

 個別のプロジェクトの進捗に対し、熱心な議論が行われました。

 10月のハッカソンでは、それぞれのプロジェクトは、アイデアソンで出た最良のアイデアを形にすべく、手持ちの技術をつかってプロトタイプを作成しました。何をどう組み合わせればアイデアが形になるのか、までがわかっています。

 ハッカソン終了後、各チームでは、ハッカソンで作成したアイデアが現実に提供可能なものか、ソリューションを実現する技術が入手可能か、技術の確認を行ったほか、回転寿司店やカラオケ、自動販売機など、アイデアを展開しようとしている場所に実際に自分たちで行ってみて、アイデアが有効か、改善すべき点はないかなどを確認しました。

 今回の中間報告においては、すべてのプロジェクトが、そうした技術調査や現地調査を通じ、新規の技術やしくみの開発でなく、すでに提供されているサービスやプロダクトに支援の観点から多少の改良を加えれば、ユーザーたちのニーズを叶えるアイデアの実現が可能なことが共有されました。

 背景には、サービスのデジタル化がすすんで、情報へのアクセスや操作に、これまでより多くの手段が提供されていることがあります。たとえば、飲食店のタブレットのメニューを知りたいというニーズを解決するプロジェクトでは、タブレットに入れたメニュー情報を引き出してもらうしくみを考えていましたが、今年に入り、スマートフォンで事前に確認しオーダーするサービスが始まったので、視覚障害者にもつかいやすい情報提供のしかたを整えてもらう、またそういうアピールをしてもらう、という方向で進めることになりました。

 また、デジタル化が進むことで、ユーザーがプログラムできる環境がつくられつつあり、ユーザー自らサービスを作るしくみを整える所まで来ているという報告もあり、プログラミング知識のある人とコラボレーションして自助用のサービスを作る環境を作るようプロモートする、というアイデアも共有されました。

 審査員からは、ソフトを搭載するOSのアクセシビリティ機能についての注意すべきポイントの指摘など、技術的な観点からのアドバイスや、健常者にとっての利用価値もアイデアに含まれることの発見、ターゲットを障害者だけにすると福祉機器だけにとどまってしまうなど、製品展開にあたってのアドバイスが、多数ありました。

 企業からは、研究開発担当者や新規ビジネス担当者がレビューを観覧され、上流工程の一部としてのインクルージョンの進め方に新たな発見をされたと発言され、懇親会では発表者や審査員もまじえ、熱心な意見交換がなされました。

 次回は、夏頃を予定し、今回のアドバイスを取り入れ、どのように実装を進めているか、最終報告会が実施されます。

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森 淳一 Junichi Mori